看護師の転職事情

実際、看護師はどのようなことを理由に転職を希望するようになるのでしょうか。転職したくなる理由を探ってみましょう。

まず挙げられるのは、職場の人間関係です。かつては女性の職業であった看護師にも、多くの男性スタッフの姿が見られるようになりました。それでも、職場に占める女性看護師の割合はまだまだ高いと言われています。その中で、女性同士でよくある些細なことで言い合いになったり陰口を叩かれたりすることもよくある話です。ギスギスした関係性の中にいると周囲の目線や会話が気になってしまい、精神的に追い込んでしまう結果も生まれてしまいます。人間関係がこじれてしまった場合に、退職や転職を考える人が多い傾向にあるようです。

また、人手不足による労働時間の増加も転職の理由として挙げられます。小規模な病院やクリニックなどでは対応する患者もそれほど多くはないため、自身が受け持つ仕事も大規模な病院に比べると少ないです。しかし、大病院であればそれだけ抱える患者の数も多くなり、自身が管理しなければならない患者も増大し、そこに人手不足が重なると、残業はもちろん休日の急な出勤を要請される可能性もあります。そうなると、プライベートの時間を確保できなくなってしまい疲れを残したまま夜勤や通し業務などを行うことにもなりかねません。そのため、肉体的にも精神的にもバランスが崩れる前に転職をしたい、という看護師が出てくるのです。

看護師の中には、転職する際に医療現場から離れてOLとして働くという道を選択する人もいます。ほとんどの人が同業種間の転職を希望するのではと思われがちですが、実際はその反対で看護師から他の職種へと転身するケースの方が多いとも言われているほどです。また、看護師の知識や経験を活かして健康相談員といった仕事をするコールセンターで働く場合もあります。求人も増加傾向にあるため、転職を考える際には看護師向けのコールセンターも視野に入れて検討してみるのもよいかもしれません。